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    【フランス講習会】

    通訳として同行して

    Paris講習会は30人以上のさまざまな国の参加者の前で、生徒である私は阿久澤代表の通訳も兼ねているので、緊張感はさすがにありました。なぜなら、訳すと言っても、武術の解釈や概念を言語で伝えるというのは難しいからです。阿久澤代表の表現と意味を理解した上で、自分の言葉に置き換えて直さなければいけません。言語の上での意味合いが、さまざまな国の方相手に、武術の内観的なの部分や日本独自の表現まで、英語でわかりやすく説明出来るかが、私の課題でした。

    でも、講習会の日になって参加者の前に立ったら面白い事を経験する事ができました。阿久澤代表の伝えようとしているものの難しさは先ほど述べたように、言語上に置いての表現の限界という側面もありましたが、同時に講習会に集まってたみなさんは色々な流派、バックグラウンドがある為、ある種、考え方、スタイル、そして言語の壁をとっぱらい説明しなければいけないという事でした。

    しかし、人間と言うものは、場に置かれプレッシャーを少し与えられると、今まで自分が経験してきた知識、概念、意識が他の人に説明する事で一段と深まる事もあるという不思議な経験をする事ができました。今までの練習、訓練、意識的な理解は自分なりの解釈で、おまけに日本語のわからない参加者に英語で説明しなければいけない為、自分のもっている理解範囲のものを色々な角度から見て分析し、阿久澤代表のいう事を噛み砕いて説明する事に努めたからです。そこから得た“深まり”は、頭だけで考えただけでは得られなかった自己を認識するいい経験になりました。

    参加していた方と一緒に鍛練をやって、考え、自分の肉体をよくよく感じながら色々な方向から考え直したから、新しい発想を得られたのだと思います。通訳という体験を通じて自分の理解も不思議に深まり、今まで何となく感じていた事、理解していた事を他人に教えようとして失敗し、どのように伝えればわかるのかを考えながら説明する事によってその“何となく”が始めて“あ、こう言うことなんだ!”というはっきりした肉体精神融合の理解に変わり、自分でも大変驚きました。自分の今までの感じていた事がどれだけあいまいだったのか、そしてわかっていたつもりのものが浅かったのかも知りました。

    これからの練習にもこの体験で得たことを教訓に、練習をより深く、また時には自分を客観的な角度から見直しつつ深めていきたいと思っています。

    (ロバート・ジョン/阿吽会武術クラス)



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